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【意見】G20金融サミット:盛り上がったトービン税議論の行方と結論(成果) |
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2009年 9月 29日(火曜日) 19:21 |
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アシスト共同代表 田中 徹二
G20サミットに向け盛り上がったトービン税議論--サミットではどのような議論が行われ、結論(成果)はいかなるものだったでしょうか。日本のメディアではほとんど報道がありませんでしたが、ロイター通信などの海外のメディア報道と欧州のNGOからの報告によりますと、サミットでは次のような議論が行われたようです。
1、G20サミットでの議論
金融サービス業界にコストの一端を担わせるということで議論し、ドイツ・メルケル首相が通貨取引税を提起。フランス、スペイン、オーストリア、英国が支持表明との情報(英財務省は否定)。コストを担わせる選択肢(通貨取引税も含む)について報告するようIMFに要請した、とのことです。
ということで、確かに通貨取引税(トービン税)については議論されました。その目的は、危機を引き起こした金融セクターに一定のコストを支払わせるための原資として考えようというものです。その結果、この議論がどう首脳声明(コミュニケ)に反映されたかというと、残念ながら通貨取引税(トービン税)という言葉はありませんでしたが、次のような記述となりました。
2、結論(成果)は何か
結論(成果)は首脳声明の本文の第16パラグラフに書かれています。「16.我々は、IMFに対して、金融セクターが銀行システムの修復のための政府の介入に関係するいかなる負担に対し公平かつ実質的な貢献をどのようになし得るかについての各国がとってきた又はとることを検討している一連の選択肢に関し、我々の次回会合のために、報告書を準備するよう指示する。」というものです。
3、私たちはどう評価すべきか
G20諸国は、これまで今回の金融危機・世界経済危機をもたらした「原因」については、「金融セクター及び金融規制・監督における主要な失敗が危機の根本原因であった」(4.2ロンドンサミット)等と甘い分析だとは思いますが、一応行っています。しかし、肝心の「責任」については一切語ってきませんでした。今サミットでようやくコスト負担という形ですが、金融セクターの責任を問い始めました。一歩とはいきませんが半歩前進と言えるでしょう。金融セクターのみならず金融当局、政策当局の責任もぜひ問うべきです。
4、「投機家負担の原則」の確立を
環境政策においては「汚染者負担の原則」というのがあり、「環境を汚染したものは自ら責任を取り(修復の)コストも払うべき」という考え方が一般的です。金融システムを危機におとしいれ、ばく大な損失をもたらした根本原因は「暴走する(規制なき)金融投機」「カジノ資本主義」であったことは明白です。投機家が責任を取りコストを支払うべき「投機家負担の原則」の確立が今求められています。これが確立されれば、通貨取引税を含むあらゆる金融取引に税金をかけ、かかったコストを返済していくことは当然のこととなります。
5、シュタインブリュック独財務大臣のフィナンシャル・タイムズ紙への寄稿文
世界の政治リーダーの中で、はじめて金融セクターの責任を問うことになるペール・シュタインブリュック・ドイツ財務大臣のフィナンシャル・タイムズ紙への寄稿文についてその要旨を紹介します。
●取引に課税し危機のコスト負担共有を (2009年9月24日 フィナンシャル・タイムズ)
「今回の金融危機にもかかわらず、生き残った金融市場参加者らは政府救済策により大幅な利益を得ているが、自らの負担分を十分に負っていない」と金融セクターを批判し、「金融市場参加者らは危機を招いた自らの責任の理解と危機の再発防止に貢献する意思を示せ」と迫る。
その上で、金融市場参加者らが貢献を行う手段として「全ての金融商品取引に対して0.05%の課税を実施すべき」と訴える。この税を実施した場合、オーストリア経済研究所の試算によれば「年間6900億ドル(世界のGDPの約1.4%に相当)を創出できる可能性があり、金融市場参加者に過度の負担をかけることなく、危機のコストを支払うための相当な額の資金を創出することができる」と言明。
一方、こうした税が実施された場合、金融市場参加者らの中には税の支払いを避けようとするものも出るであろうが、「しかしG20が団結して立ち上がれば脱税行為は不可能に近い」と断言する。こうした金融取引税に対し、メルケル独首相、ブラウン英首相およびサルコジ仏大統領が支持していることも紹介している。
結びとして、「国際金融取引税を進める論拠は明らかである―この税は公正であり、害にならず、多くの利益をもたらす。もしこの案より適当な、公正な負担共有の方法があるならば、聞かせてもらいたい。もしないのならば、この税をただちに導入しようではないか」と提案している。
◆引用先;http://www.ft.com/cms/s/0/25afd1d4-a905-11de-b8bd-00144feabdc0.html
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